「ほっ」と。キャンペーン

2016年11月 SAGA19@ときわ動物園 その1

a0052986_7245538.jpg

要旨集はこちら





19日(土)のプログラム
11:00~シンポジウム1 「熊本地震 被災した動物たち」
森村 成樹(京都大学野生動物研究センター)
松本 充史 (熊本市動植物園)
伊藤 秀一 (東海大学農学部)

12:00昼休憩

13:00~シンポジウム2「チンパンジーの人工保育問題を考える」
司会:森村 成樹(京都大学野生動物研究センター)

講演者:
友永 雅己(京都大学霊長類研究所)
山梨裕美(京都大学野生動物研究センター)
松本充史(熊本市動植物園)
木岡真一(恩師上野動物園)
長尾充徳(京都市動物園)
林 美里(京都大学霊長類研究所)

コメンテーター:平田 聡(京都大学野生動物研究センター)

15:00~シンポジウム3 「霊長類の“食”」
ボノボの食べ物 古市 剛史(京都大学霊長類研究所)
オランウータンの採食 久世 濃子(国立科学博物館)
ニホンザルの採食と消化 澤田 晶子(京都大学霊長類研究所)
飼育下霊長類のエサ“ときわ動物園の取り組み” 川出 比香里(宇部市ときわ動物園)

16:30~18:00ポスターセッション
18:00~交流会 

***
a0052986_2316561.jpg

●チンパンジー・ボノボが体験した熊本地震
森村 成樹(京都大学野生動物研究センター)

・熊本サンクチュアリがある三角町では比較的規模の小さい地震のみだったそうです。
・施設では電柵の切断、ボイラーや通信機器に不具合が生じたものの、被害は軽微だったそうです。
・チンパンジーとボノボは全員無事で健康を害している個体はいなかったそうです。
・(職員も無事)
・地震直後には、チンパンジーとボノボで食欲不振、入室拒否、体調不良などが観察された
・・大きな余震がなくなるとともに、行動は以前の状態に戻ったそうです。
・チンパンジーもボノボも、目の前にある問題に対処することで、行動を抑制するかたちで危機に対応していたそうです。

a0052986_23174042.jpg

●熊本地震 被災した動物たち
松本 充史 (熊本市動植物園)

熊本地震は、
4月14日21時26分に最大震度7
4月16日0時25分に最大震度7を記録しました。
熊本市動植物園はこの地震により、液状化現象がひどく、園内の地面はぼこぼこ、獣舎も大きく傾いたり
隙間ができたり、大きな被害を受けました。

*2017年1月現在でも園は閉園したままです。
2017年2月から部分開園することになりましたが、ほんの一部であり、
動物園の大部分は、閉園したままです。

地震直後からスタッフが園にあつまり、被害状況の確認などが行われたそうです。
園のライフラインは
飼料確保可能、
漏水か所多数、上下水道・井水ともに供給ストップ
停電なし
の状況でした。

すぐにJAZAへ支援要請したそうです。

4月16日の本震の後、さらに大きな被害を受けました。
動物の脱出、死亡は無く、
スタッフの死者・負傷者なしだったものの、家屋倒壊により避難したスタッフが増加したそうです。
また、園内の地盤沈下、隆起、液状化悪化、獣舎の破損増大
もっとも問題だったのが猛獣舎パドック(ユキヒョウ)放飼不可
この時点で、園のライフラインは
飼料確保可能、
漏水か所多数、上下水道・井水ともに供給ストップ
停電(月17日未明復旧)
の状況でした。さらに県内高速道路不通、阿蘇・大分方面通行止め、鹿児島方面通行不可地域増加、福岡-熊本間通行可能ルート有
の状況でした。

すでにJAZAへ支援要請していましたが、
さらに、
発電機借用(停電による下水排水停止)
スタッフ用食料(確保困難な状況だったそうです)
猫科動物の緊急移動
を要請しました。

園内の被害状況を写真で何枚も見せていただきましたが、見慣れた熊本動植物園の園内の地面に亀裂が入ったり、建物が倒れたり、痛々しい状況でした。

支援物資の写真もありました。
もちろん物資自体もありがたかったのですが、物資の箱に応援メッセージが書いてあったり、
激励のメッセージもいくつも貼りだしてあり、これらも非常に勇気づけられた、とのことです。

猫科動物の緊急移動ですが、JAZA安全対策委員会が移動先調整、日程調整、輸送調整、輸送業者手配のすべてをやってくださったそうです。

次のステップに向けて、
情報発信:動物の状況等をブログなどで継続的に情報発信
教育活動:移動ふれあい動物園を実施
を行っています。

全面開園は平成30年4月を目標としているそうです。

ブログで動物たちの様子は確認していましたが、ここまで細かい被害と対応の状況は、初めて聞きました。

●東海大学農学部阿蘇キャンパスにおける対応
伊藤 秀一 (東海大学農学部)

東海大学では、地震により学生3名が亡くなり、重傷者も数名でました。
阿蘇大橋が落下し、校舎が全壊、学内道路の地割れもひどく、大学へ行こうにも行けない状況だったそうです。

その2へつづく
by Patrick_Harper | 2017-02-03 18:00 | 講演会